元ガールズバー店長日記

ガールズバーやキャバクラ、風俗店などで店長をしてきました。お客さん目線、働く側目線で思うこと、感じることをブログに書きたいと思います。Twitterもやってるので宜しくです。

「同一労働同一賃金」が2020年4月から開始!顧客に与える影響。

2020年最初のブログにて「2020年はどのような年になるか!?」を自分なりの見解で紹介しましたが、今回も同じような内容になるかもしれませんが気になってる事案なので紹介していきたいと思います。

 

テレビ、ネット、新聞を見て「同一労働同一賃金」という言葉を聞いたことが一度はあると思いますが、果たしてどんなことなんだろうと色んな情報を見て考えたら「顧客のお財布事情に影響を与える事案」なんじゃないかと感じてます。

 

 

同一労働同一賃金とは何?

f:id:girlsbartan:20200125125603j:plain

専門家ではないのでざっくりとした説明になりますが、同じ仕事をしてるのに正社員だと月給30万、非正規の契約社員やパートだと月20万というのは日本社会では当たり前の様になっていました。それを「同じ仕事をしてるのであれば、同じ給与を出しましょう」というのが同一賃金同一労働ということです。

 

皆勤手当、住宅手当、資格手当などといった待遇面も正社員だけに出すのではなく非正規雇用者にもきちんと出しましょうという制度でもあります。勿論、仕事が出来る出来ないの能力給は別です。

 

正社員と非正規雇用で給与の格差をなくしていきましょうという制度であり、これは2020年4月から大手企業で導入、2021年4月から中小企業に導入することが決まっています。

 

厚生労働省によるガイドライン

www.mhlw.go.jp

 

社員と非正規雇用で格差がなくなるんなら良い制度じゃないか見えるでしょう。欧米では「同一労働同一賃金」というスタイルは当たり前です。でも何が問題があるかを紹介していきます。

 

 

 

正規雇用の給与が必ずあがるとは限らない

f:id:girlsbartan:20200125132522j:plain

正社員と非正規雇用の間で格差をなくすための目的とした制度ですが、必ずしも非正規雇用側の給与が上がるわけではありません。同一労働同一賃金はあくまで「正社員と非正規雇用で同じ仕事をしてるなら同じ賃金を提供」するものであって「非正規雇用側の給与をあげないとダメだ」という訳ではないからです。

 

「正社員側の給与を下げる、手当等をなくすことで非正規雇用と同じ状況にすることが出来る」制度でもあるからです。非正規雇用の給与はそのままで正社員側の給与、待遇面をさげて同一労働同一賃金するということです。実際にこれをやったところがあります。日本郵政がまさに正社員の住宅手当などを廃止する動きをとっています。

 

同一労働同一賃金が良い悪いは別として盲点を露呈した事案とも言えるでしょう。

 

同一労働同一賃金で起こりえる事案

f:id:girlsbartan:20200125134227j:plain

会社が利益を伸ばせて「正社員、非正規」関係なく良い給与となるのが一番の理想でしょう。2020年の4月から大手企業、公務員は開始となりますが、実際にどうなるかはわかりません。

 

【リストラ、派遣切りが出てくる可能性】
人件費をあげれば会社側の利益は減ります。会社の利益が増えるから給与もアップ出来るのが当たり前のことですが、果たして今の日本経済は人件費をあげていけるくらいに景気が良いのでしょうか?人件費を抑えるために正社員、非正規のリストラをしないとやっていけない会社もあるでしょう。

 

【倒産する会社】

なんとか経営が成り立ってるような会社は人件費があげることが難しいでしょう。そうなると正社員の待遇を見直す方向に舵をとらなざる負えないんじゃないでしょうか?それによって離職率があがってしまうことも予測できます。利益が上がってない状況で人件費をあげても、会社経営に相当な圧迫を与えます。だからといって正社員の給与をさげて同一にしてしまったら離職率が高くなり有能な人材を放出してしまう。結果的に倒産の道を進まなくてはいけない会社も出てくることでしょう。特の派遣会社は「同一労働同一賃金」になることで会社が労働者と直接雇用するケースが増えることも予測されます。そうなれば依頼する会社が減ってしまう可能性もあり人材派遣会社の経営は厳しくなるでしょう。

 

【更なる増税がある可能性】

公務員も4月から同一労働同一賃金になります。国が打ち出した制度ですから率先して実施するでしょう。昨年の時点で国は「非正規雇用にもボーナスを支給すること」を宣言しています。それは税金から支給されるということです。基本的に会社は利益があがってるから給与や待遇面を向上されることが出来ますが、公務員にそういうことは関係ありません。財政面で厳しいから去年、増税になりましたが非正規にもボーナスを出せるだけの財政があるなら、なぜに増税したんでしょうか?もしかしたら税金をあげて財政確保なんていうこともあるかもしれません。

 

実力主義によりなっていく】

窓際族なんて言われる人は切り捨てされやすくなるかもしれません。同一労働同一賃金だからといって能力面的なことは優遇されます。年功序列的なことが根にある日本経済ですが、これからはより実力主義になっていく可能性があります。正社員の座に胡坐をかいてる人には厳しくなる社会になるかもしれません。

 

【2021年4月が山場】

今年の4月から大手企業が対象にスタートしますが来年の4月は中小企業もスタートします。大企業であれば資金もあり乗り越えていけるかもしれませんが、中小企業だと乗り越えるだけの資金がないかも知れません。また大企業と中小企業の間で更なる格差を生むことも予測されます。「正社員と非正規の格差をなくす」目的が「大手と中小企業の格差を広がり、より格差社会へ」となるかもしれません。

 

罰則規定がない制度

f:id:girlsbartan:20200125142030j:plain

同一労働同一賃金の制度には罰則規定がありません。いくら無視しても法律によって罰則を科せられることが経営側にはありません。そのことにより同一労働同一賃金の制度を受け入れない会社も中にも出てくるでしょう。しかし今はネット社会です。誰もが気軽に発信者になることが出来るので、会社の不正や悪事を発信されてしまうと「法的に問題なくてもモラル的にどうなんだ?」と第三者に思われて業績悪化のキッカケになるかもしれません。今の時点では罰則がなくても、この先、罰則規定が決められる可能性はあるので、しっかりと同一労働同一賃金に関しては対応していくことが良いでしょう。

 

2020年4月から顧客の動向を確認する必要性

f:id:girlsbartan:20200125142851j:plain

「風俗やお水業界と関係ない」と思われた人もいるでしょうが、来店されるお客さんのほとんどがどこかの会社で働いてる方です。その方々を取り巻く環境を把握することはとっても重要です。個人消費が落ちているのが現状に4月からの「同一労働同一賃金」が開始になれば顧客のお財布事情は変わってくる可能性はあります

 

今の時点ではっきりとどうなるかは分かりませんが「風俗、お水業界だから俺には関係ない」と思っていたらトンでもないことになるかもしれません。絶対的な予測ではありませんが「現状からこれからどうなるのか?」ということを業界レベルじゃなく広い目でしっかりと見て考えることは必要です。

 

2020年はオリンピック、アメリカ大統領選があり日本経済にとって影響のあることがあります。同一労働同一賃金の制度開始もその中の一つになるんじゃないかと個人的には感じています。「今起きてる事」「これから起きる事」の二つをしっかりと見て対応、対策をしていかないと気づいた時には後の祭り状態になってしまうかもしれませんよ?

 

 

※最後に

私は政治や経済の専門家ではないので「同一労働同一賃金」の関しての知識は自分なりに調べて考えています。絶対にこうなるとは言いませんが、一つの可能性として考えています。

 

同一労働同一賃金」の良い面、悪い面の両方がありますし、もっと違う考えの方もいると思います。ただ今回、この様なことを例にしたかというと私自身風俗業界を離れて気づく点があったからです。籍をおいてた時は「風俗業界だから一般社会と違うし関係ない」という認識が多少はありました。業界を離れてから「実は世間で起きてることを把握することは重要なんじゃないか?」ということに気付きました。

 

「これが業界のやり方だ」という考えの方もいるかもしれませんが、お客さんは一般社会で生活してる方です。そこを取り巻く環境を知ることで、もっと店舗運営において活かせるんじゃないかな?と感じることが以前より増えました。時代は変化してますから「これが業界のやり方だ」という考えよりも視野を広く持ち、柔軟に物事を考えて積極的に実施する力がこれから必要なんじゃないかなっという気持ちで記事を書いています。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。何か少しでも感じ取ることがあれば幸いです。